Greetingごあいさつ

日本メディカルフィットネス研究会会長
医療法人宮仁会 猫山宮尾病院内科部長
メディカルフィットネスCUOREセンター長

太田 玉紀

2011年に有志で開催したメディカルフィットネス・フォーラムから誕生した日本メディカルフィットネス研究会Japan Medical Fitness Society(JMFS)は、①健康寿命の延伸、②医療費の抑制、③雇用の創出をミッションに掲げ、メディカルフィットネスに携わるあらゆる職種のメンバーから構成されています。此のたび、高い視野からリードしてくださる日本健康スポーツ連盟様のもとで、新たに活動を開始させていただけることとなり、身に余る光栄とメンバー一同感激しております。

メディカルフィットネス施設はその成り立ちから、医療法42条施設・介護リハビリ施設・民間のフィットネス施設・公共の運動施設などに分類されますが、中でも厚生労働省から健康増進施設/指定運動療法施設の認定を受けていることは、メディカルフィットネスとして必要な機能が揃っている証と言えます。その施設調査事業を行っている日本健康スポーツ連盟様とメディカルフィットネス現場であるJMFSが連動することは、メディカルフィットネス発展の推進力となることでしょう。

超高齢社会に突入したわが国では、世代を超えた健康志向の質の高まりとともに、中高年者の生活習慣病対策や高齢者の介護予防、アスリートへの対応に至るまで、メディカルフィットネスのニーズが拡大しています。この理由はメディカルフィットネスが持つ意義『個別性、安全性、有効性』にあると筆者は考えます。すなわち、①個別性とは、個人の目的や目標に対応した内容の運動が、個人の体力や健康状態に適した方法で実践されること、②安全性とは、運動強度や時間、頻度などに安全配慮がなされていることと、運動を実践する際に医療的サポートが伴っていること、③有効性とは、医学的観点に基づいて運動することで効果が発揮されることと、確認された運動効果を医学的根拠として個人にフィードバックできることを意味しています。

全国で、それぞれの特色を活かしたメディカルフィットネス事業が展開されていますが、その中には成功している施設もあれば、運営に難渋している施設もあります。筆者自身は、施設を立ち上げる際に生じた疑問を解消するのに大変苦慮いたしました。本研究会では、メディカルフィットネスに関する有益な情報をお届けし、指導者向け研修会を開催することに加え、多職種のスタッフ向けの交流の場も設けて参ります。JMFSは“現場の、現場による、現場のための会”ですので、メディカルフィットネスに従事されている方はもとより、これから始められる方や興味のある方からもご参加いただければ嬉しいです。

奇しくもCOVID-19との闘いとなった2020年、メディカルフィットネスだからこそコロナ禍を克服できるという自負を抱き、国民の健康に寄与するよう努めますので、皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。